
自分もこれ読んでから価値観が変わりました.
理系大学生がまず初めに読むべき本
この本の良い点を順に解説していきます.
1.IT化が進む未来への冷静かつ客観的な分析
人工知能(AI)の到来により,単純作業がシステムにとって代わられています.
「人工知能が人間の職を奪うブーム」がありますが,落合氏はあくまで冷静な視点で今後の未来を予測しています.
今,我々は変革の最中にいます.もちろん,あらゆる仕事がシステムに置き換わるわけではありません.
システムに置き換えられない職(人)の例として挙げられているのが,大工といったブルーカラーの人々です.
逆に言えばマネジメント業務といったホワイトカラーが担っていた職は今後ますます減っていくと述べられています.
我々の課題は,「コンピュータにしかできないことと人間にしかできないことの違いを考え,どのようにして人の良いところとシステムの良いところを組み合わせて次の社会へ行くのか」だと言います.
そして,我々が目指すべきは「クリエイティブ・クラス」であり,暗黙知や専門知識にこそリソースとしての価値があると言います.

つまりは専門性を磨けということですね.
研究者である落合氏だからこその説得力があり,現在研究をしている人,またはこれから研究生活が待っている人にはモチベーションの上がる内容となっています.
2.研究する上で重要な5つの問いの提示
- それによって誰が幸せになるのか.
- なぜいま,その問題なのか.なぜ先人たちはそれができなかったのか.
- 過去の何を受け継いでそのアイデアに到達したのか.
- どこに行けばそれができるのか.
- 実現のためのスキルはほかの人が到達しにくいものか.
研究テーマとして,上の5つの問いにまともに答えられれば,そのテーマには価値があると言います.
なかなかイメージが湧きにくい方もいるかと思いますが,それぞれの問いに対する補足もその後に記載されているので理解しやすくなっています.
この本で伝えたいのは主にここです.他は読み飛ばしていただいてもいいくらいです.
と本人もおっしゃっている通り,ここを読むだけでもこの本を買う価値があると思います.
3.落合陽一の本の中でも平易な表現で読みやすい
これがかなりでかいです.
普段のメディアの落合氏のイメージや,「魔法の世紀」,「デジタルネイチャー」といった著作よりもやや柔らかめの表現でつづられています.
また注釈もこまめに挟んであるので理解がしやすく,大半の大学生はすらすら読めると思います.
また,コロナ禍の生き方についても書かれているので情報も新しく信頼できるのではないでしょうか.
4.最後に
ページ数も205と程よく,コンパクトなサイズなので持ち運びもできます.
しかも1000円以下なので,コスパ最強です.(kindle版もございます.)

夏休み暇しているのであれば是非.
最後までお読みいただきありがとうございました.
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